「ブンヤさん」ゆるーい日々


東京から高松へ、はや1カ月。事件事故に東奔西走…さにあらず。

意外にまったりしている。

長野の聖火とか、愛知・舞鶴の殺人とか、世の中いろいろ忙しい。

しかし高松、実に平穏。困るくらい平穏。

とりあえず自転車こぎこぎ北へ南へ。無駄話を繰り返す。

1日が終わりに近くなり「まずいまずい」と原稿を1つ。

県版がある他社さんに申し訳なくなる。もっといろいろ歩いてネタを見つけなければと思う。

そろそろ誇りをかぶった車も有効活用しないと。市内を動くだけなら自転車で十分なんだこれが。

全然ブンヤの片鱗が見えない文章だけどお許しあれ。原稿ではかなり気を使ってるので。

ゆるーいゆるーい文章をちょぼちょぼ載せていくのでよろしく。

さて晩飯でも買いにいくかね。

コメントがあったので(笑)

まだ見てる人がおったんかい!と突っ込みを入れたくなったりもしましたが、まあ見てくれてるヒトがいるのは嬉しいもんだね、うん。元気にしとるかい?こっちはグロッキーさ、はっはー。

というわけで、現在の仕事場での仕事も縮退運転中、引越しが現在のお仕事となってます。めんどくさい、とにかくめんどくさい、同僚にぐたぐたとメールしたら「詰めろ!詰めるんだ!」と返信が来たので「そうか!」とわけもなく納得し、あんまり考えずに詰める詰める、ほんとは本とか整理しようかと思ったが、ダンボールにして2、3個増えるぐらいだからまあいいや、あっちで整理しよう、そうれ詰めろ詰めろ。

で、だいたい詰め終わったわけで、詰める過程でいろいろと出てきたりしました。寮時代の相撲の賞状から同期から送られた書状とか(笑)ヴェネチア旅行の写真もわんさわんさと、もう1回行きたいなヴェネチア、カフェフローリアンでコーヒーを飲みつつ1日過ごしたいです、はい。仕事場のカレーをかきこむのは飽きました。これからはうどんです、さぬきうどん。

既に文章は支離滅裂ですが、この文章は私が高松に赴任することが前提です、知らなかったって?まあ許してくだっせ、高松に来たらおいしいさぬきうどんを用意しますんで。

とりあえず、今の高円寺の社宅は25日に出ます、それから3月末までどこで生活するか考え物なのですが、上司からはビジネスホテル借りていいよ、と言われてる。しかしビジネスホテルで1週間はねえ、どうもいやだな、こうなったら古巣の寮のゲストハウスにでも住もうかと思っていたりいなかったり。

これからはふらふらと書いていくので暇つぶしに読んでください。

『3月のライオン』羽海野チカ著 白泉社刊


「僕は将棋の家の子になった―」

ハチミツとクローバー』などで知られる羽海野さんの最新作、とはいってもかくいう自分は羽海野さんの作品に触れるのは初めてである。『ハチミツとクローバー』は前から知っていたが、雑読派と言いつつも少女漫画にはあまり手を出さないので、著者の作品に接する機会が得られなかった。

そんなこんなで、大学あたりから愛読している漫画界のわき道をひた走る雑誌『ヤングアニマル』に著者の新作が舞い降りた。突然でかでかと特集が打たれ、なんだこりゃ、ハチミツとクローバーの作者だって、いいんですかい、こんな雑誌にやってきても…こんな柔らかな絵の後に、禁止用語しか飛び交わない『デトロイト・メタル・シティ』とか並んでるのはどうにもなあ、と。

しかし読んでみると不思議なものでぐいぐい引き込まれる、気が付けば『ヤングアニマル』を買う第一の理由になってしまっていた。作品は上記に挙げたセリフの通り、至上5人目となる中学生プロ棋士を主人公とした物語、東京の海辺の下町を舞台にして、幼くして一人ぼっちとなり将棋とともに生きていかざるえなくなった心の迷いと人々の交流を描く、悲しいけれど、なぜか温かいそんな話です。

「ずっとぼんやりしてる。あの日から、ぼんやりしたまま、他にすることが見つからなくて」

生きる為に将棋をはじめた主人公は、様々な後悔に苛まれている、そもそもなぜ家族は自分を残して死んだのか、なぜ自らを引き取ってくれた師匠の家庭を壊してしまったのか、なぜ将棋を続けているのか、なぜ生きているのか…たった一人であるが故に生きる為に必死、しかしふと気が付くとなぜ必死なのかよくわからない、苦しくて苦しくてたまらない主人公の心象は、見るものを圧倒しつつも、物語にぐいぐいと引き寄せます。彼を囲む人たちもまた、それぞれに寂しさを抱え、何かを呪い、また希望を持ち、必死に生きている。今まで書いたことだと何か重苦しい話ばかりのようだけど、コミカルなところも結構あります。

誰もが持つ様々な感情がない交ぜとなった思い、それでも生きていかなきゃいけないこの世界を、やわらかい筆致で力強く描いているなあと、一読をオススメしたい作品です。

そういえば久々に更新しました、というか再生しました(笑)いろいろ書いてみようと思うのでよろしくお願いします。

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

【雑記】銭湯考


最近よく銭湯に行く。そういうと「風呂がないのか」と問われるがそうではない。風呂はある、ユニットバスだが少し広めのやつがある。それに入ればいいやん、と言われても仕方がないのだが、銭湯に行く、いやいかねば気が納まらない。


そもそも筆者は俗に言う「カラスの行水」よろしく風呂が短い、たぶん湯船には3分くらいしか入っていない、これを聞けばますます銭湯に行くのが無駄に思えてくる。しかし銭湯というのはただ風呂に入るだけではない楽しさと言うのがある。


まずは「広い」ことである。湯船が広い、天井が広い、とにかく開放感がある。仕事が終わって突かれ切ったをわざわざ狭い自宅の風呂でさらに疲れさせる必要はない、仕事から解放されたことを感じることができるこの空間が重要なのだ。余談だが、4年間寮の共同風呂で過ごした筆者としては、広い風呂が当たり前になっているというのも理由としてあるだろう。


次に「会話」だ。おばちゃんの独特のイントネーションで発せられる「いらっしゃい」「お疲れ様」「おやすみなさい」はなぜか不思議と体がほぐれる。話したければ雑談にも気軽に応じてくれる、たぶん電話とかしっかりない頃はこういうところで日々の辛さを若い人たちが癒したりしたんだろうなと思う。


最後に「瓶牛乳」である。秋葉原のホームには牛乳バーみたいなのがあったりするが、それでも瓶のコーヒー牛乳とかフルーツ牛乳にお目にかかることはなかなかない。それをお決まりのように飲み干すのがうまい、たまらない。製造元はメグミルクだったりする、友人が東北で頑張っている会社だ。


日々を駆け抜ける、しかし時には銭湯で癒しを求めることも必要だったりする。

【小説】『ランナー』あさのあつこ著


『バッテリー』は誰しも知っている野球を舞台にした代表作、新作は陸上競技が舞台となる。主人公の碧季は母親の千賀子、妹の杏樹との3人で暮らしている。千賀子は離婚で精神的不安定となり、夫の亡くなった弟夫婦の子どもである杏樹に夫の面影を見出し、自分の意思に反して暴力を振るう。「自分がいなければ家族を守れない」そう感じた碧季、折りしも陸上競技の大会でもありえない惨敗、走ることを止め、幼く可愛い妹のために日々を生活する。


あさのあつこの作品は重い、その重さが故に心をとらえて離さない。


碧季に期待する陸上部顧問、その思いが自分に向かないことに嫉妬する杏子、愛しているのに届かない。杏子の母は病弱だった杏子の兄に惜しみない愛情を注いだのに忌み嫌われ、愛の行く先を失う。愛したのに愛されない。千賀子の杏樹への思いも、また愛したいのに愛せない、という姿であると言える。それぞれの思いは決して間違っていないのに、どこかいびつで、どこか噛み合わず、それに翻弄される碧季がいる。


冷え切った心を救うのは、内から湧き上がるもう一度走りたいという気持ち。何かと向き合うという意志、彼は再びトラックに立つ。


重い作品だけど、そこにある重さの意味は、誰でも理解ができるはず。お互いの思いが簡単に通じない、誰もが間違っているわけではないのに、結果的に悲劇が起こったりする、そんな矛盾を乗り越える勇気を持てる作品である気がする。