『バッテリー』あさのあつこ著 角川文庫刊

あさのあつこの大ベストセラー児童書、もう児童書の範疇を超えて売れている作品、野球を使った作品だったのでいつかは読んでみたいと思っていた。

功は投手で強がりな一匹狼、どこか背伸びをしていて常に周囲に対してイライラしている。功は家族の事情で大阪からとある地方都市へ引っ越す、そこで出会った豪という少年は地元野球チームの捕手で、比較的有名な選手だった功のことを前々から知っていた。その上で豪は功の投げる球が受けたいという、受けられるものか、功が自信たっぷりに投げた球は次々と豪のミットに吸い込まれていく…

と、だいたい出会いや周囲の人々が描かれていく第１巻、野球に関する描写がそれ程秀逸だとは思わないけれど新庄描写は天下一品、強いていえば「大人」の扱いが気になるところ、あさの作品の大人は無理解でどこか自分勝手、子どもの視点から見るとそう見えるのかもしれないけど、他の作品でも似たり寄ったりなのでもう少し変わった描き方はないのかな、と偉そうなことを言ってみる。

それでも十分名作には間違いないですが、読みやすいし面白いです。実は『バッテリー』よりも『一瞬の風になれ』っていう陸上競技小説買いたかったんですが馬鹿高かったので年末のお楽しみにするつもりです。