決戦の時迫る
NHKのESが通った、相当気合入れて書いたのでうまくいったのは嬉しいことだ、ガッツポーズして寮内を走り回る、さぞウザイ存在だったろう。
先日新潮社もESが通り、なかなか景気がよい、ただどちらにしろマスコミ受験は難関である、何も残らない可能性は常に存在する。
どちらにしろ、まだ舞台で踊ることはできる、大いに踊り狂うしかあるまい。
どうしても後ろ向きになりがちではある。そんなこの時期に読んだ本として、勇気を貰った本がある。
『チェ・ゲバラの遥かな旅』である。
チェ・ゲバラは言わずと知れた、アルゼンチン生まれの革命家だ。キューバ革命に参加、コンゴやボリビアでも革命を支援し、最後は処刑された。近年になって、やっと遺骨が発見されたという、場所は飛行場の近くだったとか。
革命家といえば、鉄の意志を持ち、雄弁で、怪物のような存在を思い浮かべる。しかしゲバラはちょっと違う、情熱と理想だけで突っ走る、時に迷い、弱気にもなる普通の青年、それがゲバラであった。
キューバ革命の後、ゲバラは次々と要職に抜擢されながらも、全ラテンアメリカの開放を理想とし、見果てぬ夢の中で倒れた。
そのロマンに満ちた生涯も、恋人に振られて激しく落ち込んだり、子どもの頃からの喘息に終生悩まされたり、バイクであてのない旅をしたり・・・視点を変えれば、自分たちとなんら変わりない。
違ったのは、理想を信じる力があったこと、それを追える勇気があったこと、それを支える友人がいたこと。
キューバ革命の船出は、ボロくて小さな20人乗りの船に80人で乗り、メキシコ湾を横断することから始まった。
上陸する頃には仲間は憔悴しきっている。
上陸してしばらくの戦闘で仲間一気に12人になる、装備もほとんどない、さすがにゲバラもあきらめかけたらしい。
しかし、フィデル・カストロは言った。
「これでバチスタ(当時のキューバの独裁者)の命運は尽きたな。我々は、きっと勝つ」
皆、さすがにあきれ果てたらしい。
しかし、事実革命は為る。
この時点でバチスタの軍は2万の訓練された兵、ゲバラ達は訓練もあまり為されていない憔悴しきった装備のない12名。
意志はは力なのか、形勢は着実にゲバラ達解放軍に傾いていく。
根拠地シエラ・マエストラが包囲される、解放軍は4百、バチスタ軍は1万、しかし勝ってしまう。
運命を分けるサンタ・クララ市攻防、守るバチスタ軍の兵は有利な丘の上に2千、ゲバラ達は3百、重火器はバズーカが1門、それでも勝利は舞い降りる。
革命は為った、小説を見る限り、鍵は絶望にあった時のあの一言。
「我々はきっと勝つ」
恐らく、過程ではないのだろう、意志の問題、意志がある限りあらゆる意味で、意志が続く限り、負けはなく、勝ちは約束されているのだろう。
その意志は見果てぬ全ラテンの解放へと向かった、ゲバラは勝ったのか、負けたのか。
意志がある限り、負けはなく、勝ちは常に眼前にある。