『プリズムの夏』関口尚著 集英社刊


これ以外にも四冊ぐらい買ったんですが、とりあえず読み終えたのがこれ。本当に何気なく買ってみた本で、とりあえず読んでみたという感じ。


登場人物は大学受験を控える高校生2人と映画館のチケット売り場で働く女性、始めは対応の悪さでいらだつ2人ですが、徐々にその魅力に惹かれていきます。同時に高校生のうちの一人がさるホームページに興味を持ち、これはチケット売り場の女性が書いているのではないかと予測します。


内容は始めは映画の批評でしたが徐々に鬱の告白文となっていきます、その流れ死の香りが漂うものとなり、高校生のうち一人は家庭事情にも影響されて自ら不幸を装うことを嫌い、一人はもしこの人がチケット売り場の女性ならば助けようと動き出します・・・


この女性が書いているのが『やめていく日記』という内容なのですが、徐々に何もする気がなくなっていく様子、表では普通に生活しながら現実に興味がなくなっていく様子をネットを使ってうまく表現しているように感じます。高校生たちの、将来に希望を持つ身でありながら、少し影の漂う雰囲気も、高校3年生の様子をよく表している気がします。


自分のたぶんに悲観的な感じなので、高校3年生のときは「このまま大学行って社会人になって・・・」と考え何かむなしい感じというか寂寥感に囚われた時がありました。今就職活動になってまたそういう感じが出ていますが、マスコミ入って小説書いて政治家になってぐらいの勢いで、失敗したら野垂れ死にぐらいの情熱を持ってやりたいんですがなかなかそうも行かず、日々ぐるぐる。


そういう転換期を迎えた高校生の現状への苛立ちと行く先を知らない情熱を感じられる小説でもあります。少しはこういうところで書評とか練習して出版社に望みたい感じです、まあまだまだですよね・・・