古橋秀之著『ある日、爆弾が落ちてきて』電撃文庫刊【読了】


バイトで精神肉体共々へとへとですがレビューします。


フツウの少年とフシギな少女を主人公にした短編集ですね、雑誌『電撃hp』に収録されたのを文庫としてまとめたもので、書下ろしもあります。


表題の『ある日、爆弾が落ちてきて』以下


『おおきくなあれ』
『恋する死者の夜』
『トトカミじゃ』
『出席番号0番』
『三時間目のまどか』
『むかし、爆弾が落ちてきて』


の六作品が収録されています。


どれもこれもボーイミーツガールが物語の基本で、明るい終わりのものもあれば、寂しい終わりのものもあります。また、それに加えて時間が重要な要素になっている感じですかね、ループとか、記憶だけ過去に返るとか、時間の連続性の断裂とか・・・


個人的お気に入りは『むかし、爆弾が落ちてきて』です、原爆をモチーフにした話なので好き嫌いはあるかもしれませんが・・・原爆⇒時空潮汐爆弾となっていて、この爆弾は投下されると時間衝撃波によって投下された周囲の時間連続性をギタギタにして、多くの人命を奪う、ただし爆心地の周囲2メートル程度の空間だけは衝撃波が打ち消しあって、極度に時間の流れが遅い空間が出来上がる。


そこに閉じ込められた少女『原ミチ子』は60年たった今でも、爆発から0.3秒しか過ぎていない状態にある。少女は60年前の爆発によって光り輝いた空を見上げたそのままの姿そこにいて、周りは60年も経っている。幼馴染であった主人公の祖父は、既に市会議員を引退し、公園の管理人として少女を見守っており、ある約束を果たせず、少女をあんな風にしてしまったことを後悔したまま亡くなる。


そしてその話聞いた少年は・・・


と、まあ不思議な不思議なお話が多いです。『トトカミじゃ』も古い図書館に神様がいるという設定は好みです、前確かそんな小説のプロット書いた気がします。


短編集で気楽に読めますので、ぜひ一読を!