『半島を出よ・上巻』読了


結構長い小説なので読み終わるのに時間がかかりました、午前中ずっと読みっぱなしで読み終わった感じです。


物語は「2010年、経済破綻、社会不安、国際的孤立を深める日本に突如北朝鮮の反乱軍が侵攻、福岡に上陸、新しい国家を作ると独立を宣言する・・・」というわけなんですが、何か読んでていやな感じでしたね。5年後ってのが痛い。


屈強な北朝鮮兵士に脅されると抵抗もなく従う日本人、容赦のない拷問に泣き叫び人格を失う日本人、占領軍に嬉々として協力する日本人、何もできずとりあえず「臭いものに蓋」という感じで福岡を封鎖する日本政府、辛らつな外国政府の対応・・・


読んでるとなんだか情けなくなってきますが、そんなものなのかもしれないなあ、と思えてもきます。北朝鮮の兵士がだらしのない日本人に「あの日帝はどこへいったのだ!?」が憤っている様子が描かれていますが、それを著者の方は「一種の西欧を相手に戦った日本への憧れ」と書いていました。今の日本は確かに「明治憲法下の日本」と違うのは確かなように感じますが・・・


政府の対応に対してもずいぶんと辛らつな皮肉がこめられていました、福岡封鎖、という選択は断固たる処置をとりえない今の日本への警告なのでしょうか・・・


とりあえず読んでいるといろいろ考えさせられます、下巻はまだ読んでも買ってすらもないので、読み終わった後改めて感想は書きたいかな、と思います。