京都迷宮探偵を堪能する


朝から体調が悪い、そりゃあ寝ないで酒を飲んでれば気分も悪くなるわけで、朝起きたらぐったり、酒を飲んだか飲まれたな、ああぱっくんちょでぽっくり、アホか。


おかげで体が一向に起きず、風邪かねと思いながらベットでごろごろ、本を読んでいたわけですが、かかしの弁当を食した後再び睡魔に倒れる、ああもうなんてダメ生活。秋晴れでもないから気分は凹みませんが、こちとら老け顔でも花の大学生、色気も食い気も人一倍なはず、睡眠ばかりやってるわけにゃあいかぬ、酒精を求めて西へ、女を求めて東へ、そんな力があればとっくの昔にしていると、恨み節、まくらに顔をうずめまして、毛布を二重に引っかぶりつつごろんごとんと右へ左へ、しーあーわーせー。


惰眠を貪るにも飽き始めた、突如ドラマの音で目を覚ます。何だかよくわからないでレトロな昼ドラの雰囲気に引かれて見ていると的場浩司橋爪功に「ネタとってきましたよ」といったところでぐいっと興味を引かれた。狭い部屋に無造作に放置された書類、小さなソファにのれんの「京都日報」の文字、どうやら新聞記者のドラマだ、しかも橋爪功とはしぶい、見ているとコミカルながら古き良き新聞記者の匂いが感じられて一気にファンになりそうだ。今回の話は鳥取で捕まった殺人犯が東京に護送される、そしてその愛人が京都にいる、京都にいる愛人からコメントをとる、というネタを的場浩司扮する若手記者が持ってくる、橋爪功扮するロートル記者は胡散臭いと思いながら取材を始める、という物語。ちょっと古い、そして渋い、哀愁を感じるが、何だかいいよなこういうの、だから記者ってやめられんのでしょう、絵になるから。


野際陽子扮する女性キャップが電話を片手に各方面に支持を飛ばす「何だかわくわくしてきたわね」悲しいかなその通り、記者ってそうなんだろうな、と思ったり、悲しいことだったり厳しいことだったり目を覆いたくなることだったり、そんなことを吸い出して記者は記事を書く。興奮してはならない、でも感情がなくてはやれない。いろいろドラマとはいえ考えます、それにしてもシブイシブスギル。


風邪もまたいいドラマに出会わせてくれるもの、ありがたい。