はや過ぎ行く日々


卒論だバイトだと明け暮れるうちに過ぎてもほしくない日々が過ぎていく、高校生の頃は早く大人になりたいと思っていたが知らぬ間にそれを恐れるようになった。最近、南木佳士とか読んじゃうから老いとかに過剰反応してるのかもしれない。


南木佳士の『医学生』を読みながら、そんな何ともいえぬ寂しい思いに囚われる。口寂しくなって煙を燻らす、ふわふわと煙が宙に揺れて消えていく。『医学生』はいい小説だが、人生に対する儚さがあって寂しい、そんな作品ばかり読むなと言われそうだが、そういう気分だから仕方がない。役に立ちもしない地方議会論を弄んで、採点マシーンと化していればそんな風にヤサグレたくもなるのだ。


煙を一服、二服。


ゆらゆら燻らせて、さて、とっとと辛気臭い夜におさらばするか。