季節は巡り巡って・・・


3年劇が終わりました、ストーリーは学園モノ、こういうの恥ずかしくて見てられない性質なんですよね・・・というぐらい立派な学園恋愛モノでした。名前がミソです、ええ、わかる人にはわかる名前というかキャストです。


こういう時期をテーマとした物語は、自分でもなかなか好むところです。高校3年の秋、最後の学園祭(物語では体育祭でしたが)、告げられなかった思い、なかなか書いてても恥ずかしいぐらいなんですが、一番良い時期なのかもしれません。自分でもこういう時期を小説に書くことは多いです、ただ自分のやり残したことのような、何かとてつもない後悔があるように思えて、書いていてあまりいい気分ではありません。


実はあれだけ文化祭が好きなのに楽しんだ、というよりは、馬車馬のように働いていたという感覚の方が大きいわけです、体育祭ももう白線引き直してばかりでクラス控え席にいたことなんて皆無です。


当然甘い思い出なんてあるはずもなく、どちらかというと硬派な、一仕事終えた後の余韻を楽しむという感覚の方が大きかったです。そこかしこで片付けられていく文化祭の道具を見て、体育祭の道具を見て、ああ、今年も終わったんだな、とその風景を夕日とともに見るのが悦楽であった気がします。


生徒会室に有り、生徒会室に帰る、それが自分の学園祭でした。


記者は夢中で現場を駆け回り、記事を書き上げ、刷り上ったインクの匂いがする新聞を眺めながら満足し、また編集局へと帰っていく・・・いつまでも祭りの中で過ごしていたかったいつまでも騒いで騒いで生活していきたかった、そんな思いが、記者という職業を選ばせているのかもしれません。


覚めることのない夢の中でいようとすることが、現実に目を向ける怖さが、記者という夢を見させているのではないかと、そう思う時もあります。