『夢かもしんない』星里もちる著 小学館刊


昨日ブックオフで買った漫画です、知る人ぞ知る作家星里もちるの作品、いやそこまで持ち上げる漫画家かはわかりませんが、自分は好きな漫画家の中の一人です。代表作は『りびんぐゲーム』ですね、夢かもしんないはこの作品のしばらく後に書かれた全6巻の作品。


主人公の加勢晴夫は、コンピューターシステム会社の営業マン、ギクシャクし始めた妻一人子一人の家族関係、責任転嫁ばかりするダメに上司、そんな中で自分を押し殺しながら、心の中である種のあきらめと同居しながら暮らしています。


そんな中で現れたのは、夢野すみれという昔のアイドルの幽霊、主人公に対して彼女は「今ハッピーですか?」と問いかけます・・・


96年の作品というのがまた考えさせられるところで、前のりびんぐゲームがバブル前後を舞台にしていたように、今回の作品はバブルが終わった後です。仕事とか会社の歯車となって働いていくことのむなしさ、そしてその枠の中から出ることのできないふがいなさ、幸せはどこにあるのか・・・本当の幸せって?そんな問いかけを感じる一作です。


りびんぐゲームが25歳の男性のところに突然押しかけてきた16の少女という設定に対して、今回は妻子ありで幽霊あり、と一見こちらの方が非現実的ですが、仕事の中での悩みとかいろいろ考えさせられます。特に就職活動が近い今となりますと・・・