福井晴敏著『月に繭 地には果実』


最近読み始めた本です、題名ではわかりませんが『ターンAガンダム』のノベライズ版ということになってます。さすがは福井というところで、単なるノベライズというわけではなくて、しっかりした読み物として成立していると思います。


過去に地球を滅亡寸前まで追いやったが為に急速な発展を遂げず緩やかな発展を遂げている地球人類と、地球の復興が成るまで月で厳しい生活を強いられていたムーンレィスとの地球を巡っての争いを描く今作品ですが、モデルが『エルサレムを巡る争い』だと聞いて、なるほどと思った次第です。


地球人類は過去の高度文明における地球壊滅を『黒歴史』と呼び、ガセネタと思って信じておらず自分たち以前の文明を認めていない、一方ムーンレィスは今まで2000年近く月で辛酸を舐めてきた為に引き下がるわけにもいかない・・・ユダヤ人とパレスチナ人と同じですね、そう考えて読むといろいろ考えるところがあります。個人的にはこれが『黒歴史』かと含み笑いをもらしましたが・・・


キングダム・オブ・ヘブン』を見た直後だったのでいろいろ考えることの多い作品となりました、まだ中巻なので読み終わった後感想を書こうと思います。